C#でディレクトリ(フォルダー)を作成する方法について紹介します。
ディレクトリを作成する際は、System.IO名前空間のDirectoryInfoクラスのCreateメソッドを使用するか、DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドを使用します。
目次
DirectoryInfoクラスのCreateメソッドで作成
DirectoryInfoクラスのCreateメソッドの構文は次のようになります。
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public void Create (); |
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public void Create (System.Security.AccessControl.DirectorySecurity directorySecurity); |
引数にSystem.Security.AccessControl.DirectorySecurityを取るメソッドは、ディレクトリに適用するアクセス制御と監査セキュリティを設定する場合に使用します。
DirectoryInfo.Createメソッドの使用例
以下にCreateメソッドの使用例を示します。
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// ディレクトリパス string path = @"C:\Test\NewDir"; // DirectoryInfoのインスタンスを生成する DirectoryInfo di = new DirectoryInfo(path); // ディレクトリを作成する di.Create(); |
CreateメソッドではDirectoryInfoに設定したパスをもとにディレクトリを作成しますが、指定したパス中のディレクトリがなければすべての階層のディレクトリを作成します。
上記の例の場合、CドライブにTestディレクトリがあればTestディレクトリの中にNewDirディレクトリが作成されますが、TestディレクトリがなければTestディレクトリとNewDirディレクトリの両方が作成されます。
サブディレクトリを作成
DirectoryInfoクラスにはサブディレクトリを作成するCreateSubdirectoryメソッドがあり、DirectoryInfoクラスに設定したパスにディレクトリを作成できます。
DirectoryInfoクラスのCreateSubdirectoryメソッドの構文は次のようになります。
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public System.IO.DirectoryInfo CreateSubdirectory (string path); |
引数のpathに作成するディレクトリのパス(名前)を指定します。CreateSubdirectoryメソッドは作成したディレクトリのDirectoryInfoオブジェクトを戻り値に返します。
DirectoryInfo.CreateSubdirectoryメソッドの使用例
以下にCreateSubdirectoryメソッドの使用例を示します。
下記のサンプルでは、Createメソッドの使用例で作成したC:\Test\NewDirディレクトリにサブディレクトを作成しています。
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// ディレクトリパス string path = @"C:\Test\NewDir"; // DirectoryInfoのインスタンスを生成する DirectoryInfo di = new DirectoryInfo(path); // サブディレクトリを作成する DirectoryInfo diSub = di.CreateSubdirectory("SubDir"); |
サブディレクトにディレクトリのパス区切り文字である「\」を含めて指定すると、階層を持ったディレクトリが作成されます。
例えば上記の例ではCreateSubdirectoryメソッドの引数に “SubDir” を指定してサブディレクトリを作成していますが、これを “SubDir\SubSubDir\SubSubSubDir” とすると3階層のディレクトリが作成されます。
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C └ Test └ NewDir └ SubDir └ SubSubDir └ SubSubSubDir |
CreateSubdirectoryメソッドでサブディレクトリを作成する場合もCreateメソッドの場合と同様に、サブディレクトリまでの階層のディレクトリが存在しない場合はすべて作成されます。(上記の例ではCドライブのTestディレクトリとNewDirディレクトリ)
DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドで作成
DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドの構文は次のようになります。
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public static System.IO.DirectoryInfo CreateDirectory (string path); |
引数のpathに作成するディレクトリのパスを指定します。DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドもDirectoryInfoクラスのCreateSubdirectoryメソッドと同様に作成したディレクトリのDirectoryInfoオブジェクトを戻り値に返します。
Directory.CreateDirectory静的メソッドの使用例
以下にCreateDirectory静的メソッドの使用例を示します。
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// ディレクトリを作成する DirectoryInfo di = Directory.CreateDirectory(@"C:\Test\NewDir"); |
DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドは、DirectoryInfoクラスのCreateメソッドと同様の処理を行うことができます。
DirectoryInfoクラスのCreateメソッド、CreateSubdirectoryメソッド、DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドとも、作成対象のディレクトリが既に存在していれば、ディレクトリは新たに作成されませんがエラーは発生しません。作成するディレクトリが既に存在する場合にはメッセージを表示するような処理が必要であれば、DirectoryクラスのExistsメソッド等でディレクトリの存在有無を確認してから処理を行うようするといいでしょう。
サンプルプログラム
Windowsフォームアプリケーションでのプログラムの実装例を記載します。
ユーザーインターフェース
フォームのインターフェースは次のようにします。
ソースコード
サンプルプログラムのフォームには次のようなソースコードを記述します。
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using System; using System.Windows.Forms; // System.IOのusingを追加 using System.IO; namespace WindowsFormsApp1 { public partial class Form1 : Form { public Form1() { InitializeComponent(); } // DirectoryInfoクラスのCreateメソッドで作成 private void button1_Click(object sender, EventArgs e) { try { // ディレクトリパス string path = textBox1.Text; // DirectoryInfoのインスタンスを生成 DirectoryInfo di = new DirectoryInfo(path); // ディレクトリを作成 di.Create(); // 完了メッセージを表示 MessageBox.Show($"{di.FullName}を作成しました。"); } catch (Exception ex) { MessageBox.Show(ex.Message); } } // DirectoryInfoクラスのCreateSubdirectoryメソッドで作成 private void button2_Click(object sender, EventArgs e) { try { // ディレクトリパス string path = textBox1.Text; // DirectoryInfoのインスタンスを生成 DirectoryInfo di = new DirectoryInfo(path); // サブディレクトリパス string subDir = textBox2.Text; // ディレクトリを作成 DirectoryInfo diSub = di.CreateSubdirectory(subDir); // 完了メッセージを表示 MessageBox.Show($"{diSub.FullName}を作成しました。"); } catch (Exception ex) { MessageBox.Show(ex.Message); } } // DirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドで作成 private void button3_Click(object sender, EventArgs e) { // ディレクトリパス string path = textBox1.Text; // ディレクトリを作成 DirectoryInfo di = Directory.CreateDirectory(path); // 完了メッセージを表示 MessageBox.Show($"{di.FullName}を作成しました。"); } } } |
サンプルの実行
作成したプログラムを実行します。
[button1]がDirectoryInfoクラスのCreateメソッドでディレクトリを作成する処理を実行します。
[button2]がDirectoryInfoクラスのCreateSubdirectoryメソッドでサブディレクトリを作成する処理を実行します。
[button3]がDirectoryクラスのCreateDirectory静的メソッドでディレクトリを作成する処理を実行します。
パスのテキストボックスに「D:\Work\CreationDirectorySample\MyDir」と入力します。
[button1]をクリックします。
メッセージが表示され、ディレクトリが作成されます。
サブディレクトリのテキストボックスに「ChildDir」と入力します。
[button2]をクリックします。
メッセージが表示され、サブディレクトリが作成されます。
DドライブのWorkディレクトリを削除します。
[button3]をクリックします。
メッセージが表示され、Workディレクトリ、CreationDirectorySampleディレクトリ、MyDirが作成されます。
DドライブのWorkディレクトリを削除します。
[button2]をクリックします。
メッセージが表示され、Workディレクトリ、CreationDirectorySampleディレクトリ、MyDirディレクトリ、ChildDirディレクトリが作成されます。