HTML5で追加/変更/廃止(削除)された要素

HTML5が作成される前からある要素のほとんどはHTML5でも同様に使用することができますが、いくつかの要素が追加、変更、廃止(削除)されました。

HTML5で追加された要素

追加された要素は大きく分けると2種類に分類できます。1つはnav要素、header要素、footer要素などの文書の構造を明確に表すための要素です。そしてもう1つはcanvas要素などのスクリプトを使用して操作するAPI用に追加された要素です。この要素には割合の状況を示すmeter要素や進捗の状況を示すprogress要素があります。

追加された要素の一覧
要素 説明
article 独立した1つのセクション(コンテンツ)を表す要素です。
aside 脚注や用語の説明などの補足情報のセクションを表す要素です。
audio 音声を再生する要素です。
bdi 双方向テキスト書式の範囲を示す隔離されたテキストを表す要素です。
canvas 図形などのグラフィックスをスクリプトを使用して描く要素です。
datalist 入力項目の選択肢の一覧を作成する要素です。
details 折りたたむことができる詳細情報を表示する要素です。
embed 外部のコンテンツを文書中に埋め込む要素です。
figcaption イラスト、図表、写真などにキャプションを付ける要素です。
figure イラスト、図表、写真などを示す要素です。
footer 文書やセクションのフッターを示す要素です。
header 文書やセクションのヘッダーを示す要素です。
keygen 暗号鍵を生成するための公開鍵を送信する要素です。 この要素は廃止(削除)予定です。
main ドキュメントのメインコンテンツを示す要素です。
mark テキストをハイライトして表示する要素です。
menu ユーザーが実行するコマンドのメニューを示す要素です。この要素は廃止(削除)予定です。
menuitem メニューの項目を示す要素です。この要素は廃止(削除)されました。
meter 数量や割合をゲージで表示する要素です。
nav ドキュメント内の別の部分や別の文書へのナビゲーションリンクを提供するためのセクションを示す要素です。
output 計算結果やユーザーの操作結果などの出力欄を示す要素です。
picture レスポンシブイメージを扱う要素です。
progress 作業の進捗状況を表示する要素です。
rb ルビの対象となるテキスト(ルビベース)を表す要素です。
rp ルビの表示に対応していないブラウザでルビのテキスト(振り仮名の文字列)を囲む括弧を表示するための要素です。
rt ルビのテキスト(振り仮名の文字列)を表す要素です。
rtc ルビのテキスト(振り仮名の文字列)のコンテナを表す要素です。
ruby ルビのテキスト(振り仮名の文字列)の範囲を表す要素です。
section 単独のセクション(区間)であることを示す要素です。
source 埋め込む音声や動画の複数のメディアリソース指定する要素です。
summary 折りたたむことができる詳細情報の要約、説明、キャプションを表す要素です。
time 日付や時刻を表記する際に、24時間表記の時刻やグレゴリオ暦による日付を正確に示すための要素です。
track 動画・音声などのメディア要素に字幕やキャプションなどのテキストトラックを埋め込むための要素です。
video 動画を再生する要素です。
wbr 改行をしてもよい位置を指定する要素です。

HTML5で変更された要素

HTML4からある要素の中にはHTML5で役割が変更された要素があります。
例えば、従来は太字を表していたb要素は、HTML5では文書内の製品名、商品名、機能名などの他とは区別したいキーワードを表すように変更されました。

変更された要素の一覧
要素 説明
a リンクの出発点と到達点を表す要素です。
abbr 略語や頭字語であることを表す要素です。
address 連絡先情報を表す要素です。
b ドキュメント内の製品名、商品名、機能名などの他とは区別したいキーワードを表す要素です。
br テキストの改行を示す要素です。
cite 引用、参照された作品のタイトルを表す要素です。
dd 説明リストの定義文、説明文を表す要素です。
dl 説明リストを表す要素です。
dt 説明リストの名前(説明する言葉)を表す要素です。
em 際立たせたい(アクセントを付けたい、ニュアンスを変えたい)箇所を表す要素です。
head ドキュメント全般の情報 (メタデータ) を集約するための要素です。
hr 話題が変わる場面や物語においてシーンが変わる場面などの段落の区切りを表す要素です。
i 他とは質が異なり区別されるテキストを示す要素です。
iframe 現在のページに別のページを埋め込む、入れ子になった閲覧コンテキストを表す要素です。
s 既に正確ではなくなった、または既に関係なくなった内容を示す要素です。
small 著作権情報、ライセンス要件、免責事項、法的規制、警告内容などの注釈や細目を表す要素です。
strong 強い重要性(重大性、緊急性)を表す要素です。
u テキストをラベル付けする要素です。

HTML5で廃止(削除)された要素

HTML5ではいくつかの要素が廃止(削除)されました。

廃止(削除)された要素の一覧
要素 説明
acronym 頭字語(各単語の頭文字を取って省略した略語)を示す要素です。
applet Javaアプレットを埋め込むための要素です。
basefont 基準となるフォント(サイズ・色・種類)を表す要素です。
bgsound ページを開いた時に再生するBGMを示す要素です。
big テキストをひと回り大きくするための要素です。
blink テキストを点滅表示するための要素です。
center テキストや画像などのコンテンツを、水平方向の中央に表示する要素です。
dir ディレクトリ型のリストを表示する要素です。
font フォントのサイズ・色・種類を指定する要素です。
frame 分割されたフレームを示す要素です。
frameset ウィンドウをいくつかのフレームに分割する要素です。
isindex 検索キーワードを入力するための1行テキスト入力欄を作る要素です。
marquee 文字を上下、左右にスクロールさせる要素です。
nobr テキストを改行なしで表示することを示す要素です。
noembed 動画や音声などのプラグインが利用できない場合に表示するテキストを表す要素です。
noframes フレームに対応していない場合に表示するテキストを表す要素です。
strike 打ち消し線(取り消し線)を引くための要素です。
tt テキストを等幅フォントで表示する要素です。