ここでは、Windows10のコマンドプロンプトやバッチファイルで使用できるDIRコマンドについて紹介します。
目次
DIRコマンド
DIRコマンドを使用すると、ファイルやフォルダー(ディレクトリ)の情報を表示させることができます。
DIRコマンドは、Cmd.exeの内部コマンドとして実装されています。
DIRコマンドの構文
DIRコマンドの[ドライブ:][パス][ファイル名]
内容を一覧で表示するドライブ名、フォルダー名、またはファイル名を1つ以上指定します。
フォルダー名、ファイル名にはワイルドカードの「*」「?」が使用できます。
「*」は任意の文字列を表します。
「?」は任意1文字を表します。
DIRコマンドのスイッチ
DIRコマンドで使用できるスイッチには以下のものがあります。
スイッチ | 説明 |
---|---|
/A | 指定された属性のファイルを表示します。 /Aに続けて属性を表す文字を指定します。 属性 D: フォルダー(ディレクトリ) R: 読み取り専用 H: 隠しファイル A: アーカイブ S: システム ファイル I: 非インデックス対象ファイル L: 再解析ポイント O: オフライン ファイル -: その属性以外 /Aスイッチと属性の間にはコロン(:)を記述することも、省略することもできます。 |
/B | 名前だけを表示します。(見出しや要約が付きません。) /wスイッチは無効になります。 |
/C | ファイルサイズを桁区切りで表示します。 このスイッチはデフォルト(既定)の設定です。 /-C とすると桁区切りが表示されません。 |
/D | 名前を列(横方向)で並べ替えて一覧表示します。 |
/L | 名前をすべて小文字で表示します。 |
/N | 長い名前を右端に表示します。 |
/O | 指定された項目(ソート順)で名前を整列(並べ替え)して表示します。 ソート順 N: 名前順(アルファベット昇順) S: サイズ順(小さい方からの昇順) E: 拡張子順(アルファベット昇順) D: 日時順(古い方からの昇順) G: グループ(ディレクトリから) -: 降順(逆順) /oスイッチと属性の間にはコロン(:)を記述することも、省略することもできます。 |
/P | 1画面ごとに一時停止して表示します。 |
/Q | ファイルやフォルダーの所有者を表示します。 |
/R | NTFSファイルシステムで、ファイルの代替データストリーム(ADS:Alternate Data Stream)の名前とサイズを表示します。 |
/S | 指定されたフォルダーとすべてのサブフォルダーにある、条件に一致するファイルとフォルダーを表示します。 |
/T | どのタイムフィールド(日時フィールド)を表示または並べ替えに使用するかを指定します。 タイムフィールド c: 作成日時 w: 更新日時 a: アクセス日時 |
/W | 名前を横方向に整列してワイド形式で一覧表示します。 |
/X | 長い名前を右端に表示します。 このオプションは 8dot3 形式以外のファイル名に対する短い名前を表示します。長い名前の前に短い名前を表示する点を除けば/n オプションと同じです。短い名前がない場合は、ブランクになります。 |
/4 | 西暦を表す4つの数値で年を表示します。 |
-(ハイフン) | ハイフンは「/-c」「/-w」のように他のスイッチと併用し、ハイフンを指定したスイッチの動作を否定します。 |
DIRコマンドの実行例
以下にDIRコマンドの実行例をいくつか示します。
実行例1
以下の例では、カレントフォルダー(現在のフォルダー)の内容を、ファイルサイズ順(昇順)で整列して所有者情報と共に表示します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |
C:\Command>DIR /O:S /Q ドライブ C のボリューム ラベルがありません。 ボリューム シリアル番号は 2E37-E344 です C:\Command のディレクトリ 2020/04/25 16:13 <DIR> NT SERVICE\TrustedInsta.. 2020/04/25 16:13 <DIR> PC\johobase . 2020/04/25 16:34 29 PC\johobase test2.txt 2020/04/25 16:35 29 PC\johobase test3.txt 2020/04/25 16:33 29 PC\johobase test1.txt 0 個のファイル 0 バイト 2 個のディレクトリ 179,653,398,528 バイトの空き領域 |
実行例2
以下の例では、C:\Commandフォルダーの内容を、名前を列に整列して表示します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
C:\>DIR C:\Command /D ドライブ C のボリューム ラベルがありません。 ボリューム シリアル番号は 2E37-E344 です C:\Command のディレクトリ [.] [..] test1.txt test2.txt test3.txt 3 個のファイル 87 バイト 2 個のディレクトリ 179,608,088,576 バイトの空き領域 |
実行例3
以下の例では、C:\フォルダーにあるシステム属性と隠し属性の両方を持つファイルとフォルダーを抽出し、長い名前には8.3形式の短い名前を添えて、ファイルサイズを桁区切りなしで一覧表示します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 |
C:\Command>DIR C:\ /A:SH /-C /X ドライブ C のボリューム ラベルがありません。 ボリューム シリアル番号は 2E37-E344 です C:\ のディレクトリ 2020/04/12 16:06 <DIR> $Recycle.Bin 2019/10/24 00:01 80 bootTel.dat 2019/10/24 11:38 <JUNCTION> DOCUME~1 Documents and Settings [C:\Users] 2020/04/22 09:49 8192 DUMPST~1.TMP DumpStack.log.tmp 2020/01/11 12:27 <DIR> KRECYCLE 2020/04/22 09:49 1073741824 pagefile.sys 2020/01/27 01:45 <DIR> Recovery 2020/04/22 09:49 16777216 swapfile.sys 2020/04/25 12:37 <DIR> SYSTEM~1 System Volume Information 4 個のファイル 1090527312 バイト 5 個のディレクトリ 179787096064 バイトの空き領域 |
スイッチについて
よく使うスイッチとオプションを環境変数「DIRCMD」に登録しておくと、DIRコマンドの既定値として機能します。(例: DIRCMD=/p)
環境変数のDIRCMDのスイッチの動作を否定する場合は、コマンドラインで逆の意味のスイッチのハイフン(-)を指定します。(例: DIR /-p)