ここでは、Windows10のコマンドプロンプトやバッチファイルで使用できるCOPYコマンドについて紹介します。
目次
COPYコマンド
COPYコマンドを使用すると、ファイルやフォルダー(ディレクトリ)をコピーすることができます。
COPYコマンドの構文
COPYコマンドの送り側1
送り側1には、コピーするファイル名やフォルダー名を指定します。
ワイルドカードの「*」「?」を使用することができます。
COPYコマンドの送り側2
送り側2は、受け側にアペンド(追加)するファイル名やフォルダー名を1つ以上指定します。
例えば「abc」が入力されている「A.txt」ファイル(送り側1)と「def」が入力されている「B.txt」ファイル(送り側2)を「C.txt」というファイル(受け側)にコピーすると、「c.txt」ファイルには「abcdef」が入力されます。
ワイルドカードの「*」「?」を使用することができます。
COPYコマンドの受け側
受け側には、コピー先のファイル名やフォルダー名を指定します。
複数のファイルをアペンドしてコピーする際に、受け側にフォルダー名だけを指定してファイル名を省略すると、送り側1のファイル名でコピーされます。
COPYコマンドの-(ハイフン)
ハイフンはスイッチで使用します。
「/-y」のように他のスイッチと併用して、そのスイッチの動作を否定します。
COPYコマンドのスイッチ
COPYコマンドで使用できるスイッチには以下のものがあります。
COPYコマンドで使用できるスイッチ一覧
スイッチ | 説明 |
---|---|
/A | ファイルをASCIIテキストファイルとして扱います。 ファイル中にEOF(End Of File)文字が出現した時点でファイルの終了とみなされます。EOFはコマンドプロンプトでは、Ctrl + Zキーで入力できます。 |
/B | ファイルをバイナリファイルとして扱います。 このスイッチは既定値です。 |
/D | 受け側のファイルが復号化(暗号化が解除)されて作成されるようにします。 このスイッチは、NTFSファイルシステム上で暗号化されたファイルを、FAT32ファイルシステムなどの暗号化をサポートしないファイルシステムにコピーする際に使用します。 |
/V | 受け側のファイルが正しく書き込まれたか(差異がないか)を検査(ベリファイ)します。 |
/N | MS-DOS形式(8.3形式)以外の名前のファイルをコピーする時に、利用可能であれば短いファイル名を使用します。 |
/Y | 受け側に既にファイルが存在する場合に、ファイルを上書きする前に確認プロンプト(メッセージ)を表示しません。 |
/-Y | 受け側に既にファイルが存在する場合に、ファイルを上書きする前に確認プロンプト(メッセージ)を表示します。 このスイッチは既定値です。 |
/Z | ネットワークファイルを再起動可能モードでコピーします。 再起動可能モードとは、ネットワーク上の共有フォルダーにファイルをコピーしている最中にネットワーク接続が切断されても、再接続時に途中からコピー操作を再開できるモードのことです。 |
/L | 送り側がシンボリックリンクの場合は、リンクターゲット(送り側リンクが指し示す実際のファイル本体)ではなく、シンボリックリンクのまま(シンボリックリンク自体を)コピーします。 既定ではリンクターゲットのファイルをコピーします。 |
COPYコマンドの実行例
以下にCOPYコマンドの実行例をいくつか示します。
実行例1
以下の例では、カレントフォルダー(現在のフォルダー)のファイルの「example1.txt」を「D:\Sample\new-file.txt」にコピーします。
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C:\Data\JOHOBASE>COPY example1.txt D:\Sample\new-file.txt 1 個のファイルをコピーしました。 |
実行例2
以下の例では、カレントフォルダー(現在のフォルダー)のファイルの「example1.txt」を「D:\Sample」フォルダーにコピーします。
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C:\Data\JOHOBASE>COPY example1.txt D:\Sample 1 個のファイルをコピーしました。 |
実行例3
以下の例では、C:\Dataフォルダーのファイル「example1.txt」に、ファイル「example2.txt」の内容を追記(アペンド)して、D:\Sampleフォルダーに「example3.txt」というファイル名でコピーします。
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C:\Data\JOHOBASE>COPY C:\Data\example1.txt + C:\Data\example2.txt D:\Sample\example3.txt example1.txt example2.txt 1 個のファイルをコピーしました。 |
実行例4
カレントフォルダーにある拡張子が「.des」のすべてのファイルをE:\Imagesフォルダーにコピーします。
コピー元(送り側)のファイルは暗号化されており、コピーする際には暗号を解除(復号)します。
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C:\Data\JOHOBASE>COPY /D *.des E:\Images 3 個のファイルをコピーしました。 |
実行例5
カレントフォルダーにあるファイル「example1.txt」を「D:\Sample」フォルダーにコピーします。
コピー先(受け側)にはすでに同名のファイルが存在しています。
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C:\Data\JOHOBASE>COPY example1.txt D:\Sample D:\Sample\example1.txt を上書きしますか? (Yes/No/All): y 1 個のファイルをコピーしました。 |
COPYコマンドのYスイッチ、-Yスイッチについて
/Yまたは/-Yスイッチを環境変数の「COPYCMD」に登録しておくと、COPYコマンドおよびMOVEコマンドの吉江の動作を設定することができます。
既定値としてコマンドライン中のスイッチではコマンドラインが優先されるので、既定の動作を一時的に変更したい場合は、コマンドラインで逆の意味のスイッチを指定します。
バッチファイル中でCOPYコマンドやMOVEコマンドを実行した場合は、/Yスイッチを指定していなくても確認プロンプト(メッセージ)は表示されません。