SQL Serverへリモート接続するための設定

データベースネットワーク接続イメージ

本ブログでは、以前にSQL Serverをインストールする方法と、SQL Server Management Studioをインストールする方法をご紹介しました。

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SQL Serverはインストール直後の状態では、他のPC(端末)から接続することができません。

SQL Serverのサーバー(データベースエンジン)をリモートで接続できるようにするには、いくつかの設定が必要になります。

そこで今回は、SQL Serverにリモートで接続するために必要な設定を紹介します。

サーバーへのリモート接続を許可する

SQL Server Management Studio(SSMS)を起動します。

SQL Server Management Studio 起動時のスプラッシュ画面

SQL Server Management Studioは、スタートメニューにある「Microsoft SQL Server Tools [バージョン番号]」メニューのサブメニューから起動できます。

Windows スタートメニューのSQL Server Management Studio

また、検索ボックスに「Microsoft SQL Server Management Studio」と入力して表示される検索結果からも起動できます。

Windows 検索ボックスでSQL Server Management Studioを検索

検索ボックスには「ssms」と入力することでもSQL Server Management Studioを検索することができます。

SQL Server Management Studioを起動すると「サーバーへの接続」のダイアログボックスが表示されますので、サーバー(データベースエンジン)に接続します。

SQL Server Management Studioのサーバーへの接続のダイアログボックス

サーバーに接続(ログイン)すると、以下の画面が表示されます。

SQL Server Management Studioを起動した時のメイン画面

左ペインのオブジェクト エクスプローラーのツリービューにあるサーバーのノードを右クリックします。

SQL Server Management Studioのオブジェクトエクスプローラーのサーバーノード

右クリックするとコンテキストメニューが表示されますので「プロパティ」をクリックします。

SQL Server Management Studioのオブジェクトエクスプローラーのサーバーノードのコンテキストメニューのプロパティ

「プロパティ」をクリックすると「サーバーのプロパティ」のダイアログボックスを表示されます。

SQL Server Management Studioのサーバーのプロパティダイアログボックス

左ペインの「ページの選択」にある「接続」を選択(クリック)します。

SQL Server Management Studioのサーバーのプロパティのページ選択にある接続をクリック

「接続」を選ぶと以下の画面が表示されますので、「このサーバーへのリモート接続を許可する」のチェックボックスがチェックされていることを確認します。

SQL Server Management Studioのサーバーのプロパティのこのサーバーへのリモート接続を許可する

「このサーバーへのリモート接続を許可する」のチェックボックスは、デフォルトではチェックがONになっていますので、変更していなければ、ここはチェックが入っていると思います。

TCP/IPを有効にする

SQL Server 構成マネージャーを起動します。

Windowsのスタートメニューから「Microsoft SQL Server [バージョン番号]」(バージョンが2019なら「Microsoft SQL Server 2019」)のメニューを探します。

Windows スタートメニューのMicrosoft SQL Server

メニューをクリックして展開するとサブメニューの中に「SQL Server [バージョン番号] 構成マネージャー」がありますので、それをクリックします。

Windows スタートメニューのSQL Server 構成マネージャー

SQL Server 構成マネージャーがスタートメニューにない場合は、検索ボックスに以下の値を入力すると検索結果に表示されます。

  • SQL Server 2019の場合は「SQLServerManager15.msc」
  • SQL Server 2017の場合は「SQLServerManager14.msc」
  • SQL Server 2016の場合は「SQLServerManager13.msc」
  • SQL Server 2014の場合は「SQLServerManager12.msc」
  • SQL Server 2012の場合は「SQLServerManager11.msc」

SQLServer構成マネージャーを検索ボックスから起動

最も一致する検索結果に表示されているSQL Server 構成マネージャーをクリックすると「Sql Server Configuration Manager(SQL Server 構成マネージャー)」のウィンドウが開きます。

SQLServer構成マネージャー

SQL Server 構成マネージャーを起動したら、左ペインのツリービューにある「SQL Server ネットワークの構成」を展開して開きます。

SQLServer構成マネージャーのSQLServerネットワークの構成のノードを展開

展開するとインストールされているSQL Serverのプロトコルが表示されますのでクリックします。(例えばSQL Server 2019をインストールする際、名前付きインスタンスに「SQLSERVER2019」を指定していれば、「SQLSERVER2019のプロトコル」というノードが表示されますのでクリックして選択します。)

SQLServer構成マネージャーのSQLServerネットワークの構成のプロトコルを選択

SQL Serverのプロトコルを選択(クリック)すると、右ペインにプロトコルの一覧(共有メモリ・名前付きパイプ・TCP/IP)が表示されます。

SQLServer構成マネージャーのSQLServerネットワークの構成のプロトコルのリスト

プロトコルの一覧にある「TCP/IP」の状態が「有効」になっているかを確認します。

SQLServer構成マネージャーのSQLServerネットワークの構成のプロトコルのリストでTCP/IPの状態をチェック

有効になっていない場合は「TCP/IP」を右クリックし、表示されたコンテキストメニューにある「有効にする」をクリックします。

SQLServer構成マネージャーのSQLServerネットワークの構成のプロトコルのリストでTCP/IPのコンテキストメニューで状態を有効にする

状態を変更すると「加えた変更はすべて保存されます。ただし、サービスを停止して再開するまで、その変更は有効になりません。」というメッセージ(ダイアログボックス)が表示されますので、「OK」ボタンをクリックしてください。

SQLServer構成マネージャーでTCP/IPの状態を有効(変更)した際に表示されるメッセージボックス

ここで行った変更は、SQL Serverのサービスを再度実行(再起動)した際に有効になります。

TCP/IPのポートの設定

TCP/IPのポートを固定ポートに設定します。

「TCP/IP」を右クリックして表示されるコンテキストメニューにある「プロパティ」をクリックします。

SQLServer構成マネージャーのSQLServerネットワークの構成のプロトコルのリストでTCP/IPのコンテキストメニューのプロパティ

クリックすると「TCP/IPのプロパティ」のダイアログボックスが表示されますので、「IPアドレス」タブをクリックします。

SQLServer構成マネージャーのTCP/IPのプロパティのダイアログボックスのIPアドレスタブ

IPアドレスの一覧が表示されますので、下にスクロールして「IPALL」を表示します。

SQLServer構成マネージャーのTCP/IPのプロパティのダイアログボックスのIPアドレスタブのリストのIPALL

「TCP ポート」には、SQL Serverの標準ポートである「1433」を入力します。
「TCP 動的ポート」は空白にします。

SQLServer構成マネージャーのTCP/IPのプロパティのダイアログボックスのIPアドレスタブのリストのIPALLを変更

「TCP ポート」と「TCP 動的ポート」を設定したら「OK」ボタンをクリックします。

SQLServer構成マネージャーのTCP/IPのプロパティのダイアログボックスのIPアドレスタブのOKボタン

SQL Serverのサービス再起動とSQL Server Browserのサービスの起動

SQL Serverのサービスを表示します。

SQL Serverのサービスは、SQL Server 構成マネージャーの左ペインにある「SQL Server のサービス」のノードを選択(クリック)すると表示されます。
「SQL Server のサービス」のノードを選ぶと、右ペインにサービスの一覧が表示されます。

SQLServer構成マネージャーのSQL Server のサービスの一覧

「SQL Server ([インスタンス名])」の項目と、「SQL Server Browser」の項目が表示されていますので、SQL Serverは再起動し、SQL Server Browserは起動します。

再起動と起動(サービスの開始)は、リストの項目を右クリックして表示されるコンテキストメニューで行うことができます。

SQLServer構成マネージャーのSQL Server のサービスの一覧の項目を右クリックして表示されるコンテキストメニュー

サービスを起動する場合は「開始」をクリックします。再起動する場合は「再起動」をクリックします。

SQL Serverのサービスの起動・再起動は、Windowsのサービスの画面から行うこともできます。

Windowsのサービスは、検索ボックスに「サービス」または「service」と入力すると表示できます。

Windows 検索ボックスでサービスを検索

サービスは、スタートメニューにある「Windows 管理ツール」のサブメニューにある「サービス」から起動することもできます。

Windows スタートメニューのWindows管理ツールのサービス

また、「コンピューターの管理」の「サービスとアプリケーション」にある「サービス」でも表示することができます。

Windowsのコンピューターの管理のサービス

「コンピューターの管理」は、スタートメニューから起動することができます。

Windows スタートメニューのコンピューターの管理

「コンピューターの管理」は「Windows 管理ツール」内にあります。

Windows Defender ファイアウォールの設定

Windows Defender ファイアウォールで、SQL Serverのプログラムの許可と、SQL Serverのポートの受信規則の設定を行います。

Windows Defender ファイアウォールの起動

Windows Defender ファイアウォールの設定画面は、コントロールパネルから起動します。

コントロールパネルを起動する方法は、以下の記事にまとめていますので参考にしてください。

コントロールパネルを表示する [Windows10]
先日新しいPCを購入した友人が、Windows7からWindows10へ移行したのはいいけど、コントロールパネルをどうやって表示していいかす...

コントロールパネルの表示方法が「カテゴリ」になっている場合は「システムとセキュリティ」をクリックします。

コントロールパネルのシステムとセキュリティ

「システムとセキュリティ」をクリックすると詳細を選ぶ画面が表示されますので「Windows Defender ファイアウォール」をクリックします。

コントロールパネルのシステムとセキュリティのWindows Defender ファイアウォール

「Windows Defender ファイアウォール」をクリックするとWindows Defender ファイアウォールのウィンドウが開きます。

Windows Defender ファイアウォールのウィンドウ

表示方法が「大きいアイコン」または「小さいアイコン」になっている場合は「Windows Defender ファイアウォール」をクリックします。

コントロールパネルのWindows Defender ファイアウォール

「Windows Defender ファイアウォール」をクリックするとWindows Defender ファイアウォールのウィンドウが開きます。

Windows Defender ファイアウォールのウィンドウ

SQL Serverのプログラムの許可設定

Windows Defender ファイアウォールの左ペインにある「Windows ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可」をクリックします。

Windows Defender ファイアウォールのWindows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可

「Windows ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可」をクリックすると「許可されたアプリ」の一覧の画面が表示されますので、
「設定の変更」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリの設定の変更

「設定の変更」ボタンをクリックすると許可されたアプリおよびポートの編集ができるようになりますので、「別のアプリの許可」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリの別のアプリの許可

「別のアプリの許可」ボタンをクリックすると「アプリの追加」のダイアログボックスが表示されますので、「参照」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリの別のアプリの許可のアプリの追加の参照

「参照」ボタンをクリックするとプログラムを参照するダイアログボックスが表示されますので、SQL Serverの実行ファイルを選択します。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリの別のアプリの許可のアプリの追加の参照のプログラム選択のダイアログボックス

SQL Serverの実行ファイル(sqlservr.exe)は、インストールしたフォルダーにあります。
例えばCドライブのProgram Filesフォルダーにインストールしている場合は、以下のパスになります。

C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL15.SQLSERVER2019\MSSQL\Binn\sqlservr.exe

SQL Serverの実行ファイル(sqlservr.exe)を選択して「開く」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリの別のアプリの許可のアプリの追加の参照のプログラム選択のダイアログボックスの開く

「開く」ボタンをクリックすると「アプリの追加」のダイアログボックスのリストにSQL Serverの項目が追加されますので、「追加」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリの別のアプリの許可のアプリの追加の追加

「追加」ボタンをクリックすると、許可されたアプリのリストにSQL Serverの項目が追加されますので、「プライベート」と「パブリック」のチェックを入れて(ONにして)「OK」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの許可されたアプリのSQL Serverの設定

受信の規則の設定

Windows Defender ファイアウォールの左ペインにある「詳細設定」をクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの詳細設定

「詳細設定」をクリックすると規則を設定する画面が表示されますので、受信の規則を設定します。

左ペインにある「受信の規則」をクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの詳細設定の受信の規則

「受信の規則」をクリックすると設定画面が表示されますので、右ペインにある「新しい規則…」をクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの受信の規則の新しい規則

「新しい規則…」をクリックすると「新規の受信の規則ウィザード」のダイアログボックスが表示されます。

Windows Defender ファイアウォールの新規の受信の規則ウィザードのダイアログボックス

「新規の受信の規則ウィザード」では、受信の規則に関する設定を1つずつ行っていきます。

まずは「規則の種類」を選択する画面が表示されます。
「ポート」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの新規の受信の規則ウィザードの規則の種類でポートを選択して次へ

「規則の種類」の次は「プロトコルおよびポート」を選択する画面が表示されます。
「TCP」を選択し、「特定のローカル ポート」に「1433」と入力して「次へ」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの新規の受信の規則ウィザードのプロトコルおよびポートでTCPのポート番号を指定して次へ

「プロトコルおよびポート」の次は「操作」を選択する画面が表示されます。
「接続を許可する」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの新規の受信の規則ウィザードの操作で接続を許可するを選択して次へ

「操作」の次は「プロファイル」を選択する画面が表示されますので、適用するネットワークを選択します。
ここでは「ドメイン」「プライベート」「パブリック」のすべてを選択して(チェックをいれて)「次へ」ボタンをクリックします。

Windows Defender ファイアウォールの新規の受信の規則ウィザードのプロファイルで適用するネットワークを選択して次へ

「プロファイル」の次は「名前」を入力する画面が表示されますので、作成する受信の規則の名前を入力します。
名前には任意の値が入力できますので、わかりやすい名前を入力してください。
ここでは、名前に「SQL Server 2019 ポート 1433 受信の規則」を入力しておきます。
「説明(オプション)」は、必要に応じて入力してください。

名前を入力できたら最後に「完了」ボタンをクリックしてウィザードを終了します。

Windows Defender ファイアウォールの新規の受信の規則ウィザードの名前で名前と説明を入力して完了

「完了」ボタンをクリックすると、受信の規則に追加した規則が追加されます。

Windows Defender ファイアウォールの受信の規則の追加されたSQL Serverの規則

これでWindows Defender ファイアウォールの設定は完了です。

参考
Configure the Windows Firewall to Allow SQL Server Access

まとめ

SQL Serverへリモート接続するための設定は、以上になります。

最後にSQL Serverをリモートで接続するために必要な設定をまとめておきます。

  1. サーバーへのリモート接続を許可する
  2. TCP/IPを有効にする
  3. TCP/IPのポートを設定する
  4. SQL Serverのサービスを再起動する
  5. SQL Server Browserのサービスを起動(開始)する
  6. Windows Defender ファイアウォールでSQL Serverのプログラムの許可を設定する
  7. Windows Defender ファイアウォールで受信の規則を設定する

設定が完了したら、最後にリモート接続ができるかどうかを確認してください。